あゝ大阪滞在記。(2015)

「岸和田だんじり祭」

去年に引き続き、今年も行ってきました。

大阪は、だんじり製作、
「板谷工務店」
今年も棟梁の板谷さん達とご一緒に、同行させて頂きました。

早朝4時、大阪府泉佐野市の事務所に到着。
軽く休憩した後、岸和田市内に向けて出発。

今回も「曳き出し」という、早朝からのお祭り開始場面の見物です。

まだ夜が明けぬ暗い時間から、この人だかりです。

時間が迫ると開始地点の周辺は、更に物凄い人の数、緊張感が一気に高まります。

写真中央、白いテントの左に見える、
このだんじりがコースに出たと同時にお祭りスタート!

出てきたーっ!!

次から次へ高速で走りぬける!
後続のだんじりがーっ!!

いやいや、
いつ見ても「スゴい!」の一言。
興奮が止まりません!

だんじり祭の醍醐味の一つ、
「やりまわし」
高速で直角カーブを曲がります。

危なくて、とても近寄れません(汗) 

5tもの重量があるだんじりが、轟音と共に超高速で直角を曲がる姿。
超大迫力です!

気合いの入った曳き手の皆さんの呼吸、
ピタリと合わずして、
この「やりまわし」はキマりません。

大勢の人々が集まり、
それぞれが互いを信頼し、団結力を以てすれば、何事も成し得る事ができる。
社会生活の全てにおいて、これが置き換えられると感じました。
(真面目かっ!!(笑))

しばらく見物してから、一旦事務所に戻る事に。
その道中、ちょっと寄り道。
木材の加工場でした。
そこで見た物が!

昨年の秋に伐採した埼玉県産、木味極上のケヤキ。
根元の芯にクサリが出た為、1m抜いた材を板谷さんに差し上げたものです。

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本年もお世話になりましたm(__)m

「太鼓を作る」
そうおっしゃっていたので、その完成を楽しみにしていました。

立木を見立てる段階から、自分で扱った木が木材製品に生まれ変わる。
しかも、超一流の職人さんによる製作過程も見られる。

林業・木材業関係者ならば、容易に可能だと思われがちですが、こんな機会は滅多にありません。
超貴重な場面です。
嬉しいですね~
きこり冥利に尽きます。

何やら言い合っているようですが……


このように仲良く収まる訳です(笑)

カッコいい太鼓になりそう。
完成後、その音色を聞くのが楽しみです。

しばらく皆でおしゃべりの後、事務所に戻る事に。

到着すると、京都から
「仁科旗金具製作所」
親方の仁科さんと若衆の皆さんがいらしていました。

一年ぶりの再会です。

久々にお会いしましたが、板谷さんと共に皆さん、事務所から居なくなってしまいました。

『なにか仕事があるのかな?
お忙しいんですね~』

などと思っていました。

………………

数分後、
皆さんが戻ってきたと思いきや…

板谷「熊倉さん!大変な事になっとるんやで~」
熊倉「えっ!?どうしたんですか?」
板谷「ホンマに大変な事になっとるんやて!!」
熊倉「えぇっ!?だから何がですか??」
板谷「エエから、ちょっと見てみいっ!!」

そんなやりとりから、登場した物が!

…………!!!

ババァーーンッ!!

熊倉「なな!なんですかこれはーーーっ!」

板谷「あのケヤキで何か作ったろう思て、皆で考えて作ったんや!」

………「えぇっ!?(!)」

先程の太鼓用材、製作過程で伐り落としたケヤキの輪切り、
傷んだ部分を見ていた板谷棟梁、ハッと思い付いたそうです。

「この部分、チェーンソーみたいやなぁ…」

そこで、錺金具師の仁科さんに製作依頼。
「あいつはメタラーやから、メタリックに頼むでぇ」

そんなやりとりがあったそうです。

完成したメタリックなチェーンソー型の錺金具、
棟梁自ら僕の目の前で取り付けてくれました。

実物のチェーンソーのビス留め部分とガイドバーのリベット部分に合わせて、錺金具の大小ビスが取り付きます。
すごいこだわりです。

「空師」の文字、棟梁自らが80枚も書いた中の、
やっと納得した1枚との事。
すごいこだわりです。

目の前での完成まで、しっかりと目に焼き付けました。

感激のあまり、言葉が出ませんでした。
言葉に出したら、感情が一気に溢れ出してしまいそうで…
必死に堪えました。

今までの、長かった仕事人生の中で一番、
ただ震えてしまう程に感激しました。
この仕事一本で続けてきて、本当に良かったと思えた瞬間でした。

熊心『なんて粋な事をしてくれる人達なんだろう…』

素晴らしい心意気を持った職人の皆さんと出会えた事、
このご縁に心より感謝しますm(__)m

一生涯の宝物として大切にします。
これを励みに、今後も益々頑張ります!

本当に本当に本当に、
ありがとうございました
m(__)mm(__)mm(__)m

…………………

この後、皆さんと昼食へ向かう移動車中の後部座席、外の景色を眺めながら考えました。

今までの、少年時代から数えて約30年間の自分の仕事人生。
辛くて苦しかった事、
悩んでどうしようもなかった事、
悔しくてたまらなかった事。
色々な苦労の日々を思い返すと、涙が止めどなく溢れてきました。

『この仕事、一生懸命やってきて本当に良かった。
だからこそ、こんな素晴らしい人達と出会えた。
これからもずっと、死ぬまで続けてやる。』

感慨深い想いをめぐらせ、決意が完全に極った瞬間、涙を拭って泣くのを止めました。

涙していたのは、誰にも気づかれていません。
ずっと外を眺めてるフリをして、ごまかしていましたので(照)
ここで明らかにしてみました(照笑)
なんか、こんな奴ですみませんm(__)m

……………………

昼食は、去年に引き続き、和歌山県の
すし藤左エ門
楽しみにしてました!

沢山の美味しい鮨はもちろん、
鯛の活造り、薄造りを頂きました。

関西ならではでしょうか、
鯛をフグのテッサと同じように頂きました(初)

おいしかった~(超絶品)
あの味、忘れられません…

また食べたいな~
またなんとかならないかな~
また何卒よろしくお願いします~(笑)

大満腹の大満足のところで、みんなで記念撮影

再び大阪に戻り、皆で銭湯でひとっ風呂、事務所のソファーで仮眠。
夜は堺市の
「堺ふとん太鼓祭り」


2tもの重量のある太鼓台、
激しく上下に揺さぶられながら、堺の街中を練り歩きます。


西湊地区のふとん太鼓、板谷工務店で製作されました。

しばらく見物した後、みんなで夕食に。
夕食はふぐ料理です(喜)
テッサ、フグチリ等々、
シメには棟梁の味付けによるフグ雑炊。
おいしかった~(超絶品)
あの味も忘れられません。

またなんとかお願いします~(笑)

夕食後、更にお酒を飲んでカラオケ♀_(`O`)♪

スゴく濃い1日を過ごし、夜はぐっすり就寝。

翌日は埼玉に帰る日です(;_;)/~~~

帰りのお土産にと、本場大阪のたこ焼き屋さんに。
おばちゃんの右手にご注目!


物凄い手さばき!!
手返しが素早すぎて、右手だけがブレています!
さすが本場!
さすが本職!
味もメチャウマでした!!

出発の時、お別れの時は寂しかった~(;_;)/~~~

超濃厚な大阪滞在でした。
本当にありがとうございましたm(__)m
大阪、楽しわー
また行ったるで~(にわか弁)

板谷棟梁手作りのおにぎり、帰りの車中で頂きました。

美味しかった~
忘れかけていた「母の味」でした(笑)

また作ってください~(笑)

……………

あのケヤキ衝立、
早速、床の間に飾りました。

素晴らしくカッコいいですね~
ず~っと眺めていられます
(○.○)y-~~~

下書きの図面も額に入れて飾りました。

これはこれでカッコいい!
製作過程の心意気が伝わってきます(☆_☆)

一生、大切にします。
感謝!感謝!大感謝です!!
心より御礼申し上げます。
m(__)m

「週刊ニュースリーダー」出演します。

お久しぶりの投稿です。

秋に入り、林業シーズン真っ最中です。

「伐り旬」
とも言いまして、木が水を吸い上げる事を休止するこの季節、木材の伐採に適した時期になります。

毎年、全く休みがとれない程、忙しくなります(汗)
健康面、体力面を良好に保ち、
怪我、事故等ないよう、気を引き締めて取り組む所存です。

40才からが「初老」だそうです。
という事は僕もすでに初老!?

…………

認めたくありませんが、現実を受け入れなければ。
まだまだ、生きてる限り頑張りますよ!
安心してください(-_☆)

さて、テレビ出演のお知らせです。
11月14日(土)
テレビ朝日
朝6時~放送
「週刊ニュースリーダー」
6時15分頃~
番組内コーナー
「ニッポンの仕事人・週刊リーダー列伝」

番組MCは、
TOKIOの城島茂さん
石原良純さん

出演するコーナー、毎回、城島さんが実際に現場取材に出向き、リアルなニッポンの今を伝えます。

超有名人が当社の現場に来るー!
という事でロケ前日は、緊張やら興奮やら何やらで眠れませんでした。

徹夜明けでの撮影&作業です(汗) 

朝イチ、城島さんが歩いてこちらに向かってくるのを待ちます。
緊張してガチガチ(大汗)

クレーンで木を吊るして伐採する作業。
運転手は……?

スタッフさんとの打ち合わせ、モノ撮り。

一仕事終えてから、城島さんとの対談シーンを撮影。
とても優しく気さくに話しかけて頂き、安心してお話ができました。
ですが、何をしゃべったのか、ほとんど覚えておりません(真っ白)

多分、緊張してカミカミ、訳のわからないような事を言っているかもしれません(汗) 

いつもの事です(苦笑)
笑ってやってください!

皆様、よかったらご覧くださいm(__)m

もう1つお知らせです。
度重なるサーバートラブルにより、数ヶ月間にわたり閉鎖していた
「熊倉林業ホームページ」
復活しました。
まだ改善箇所がありますが、とりあえず見れます。

http://www.kumarin.jp

こちらも、よかったらご覧くださいm(__)m

現在、新しいデザイナーさんによる、新ホームページを制作中です。

全てリニューアルします。
お楽しみに!

よろしくお願い申し上げますm(__)m

梅雨明け間近、伐り旬はまだ先ですが…

熊倉です。

日本経済新聞
6月27日(土)
掲載記事につきましては、おかげ様で沢山の反響を頂きました。

僕自身、記事をとても気に入っていまして、何度も何度も読み返しております。
中学時代での親方との出会いから現在まで、自分の仕事人生を改めて見つめ直す機会となりました。

記者の方をはじめ、関係者の皆様、大変貴重な経験をさせて頂き、心より感謝申し上げます。

当日の記事については、日経電子版に会員登録して読む事ができます。
(有料)

空師の使命 熊倉純一さんに聞く

よかったらご覧ください。

……………………

早くも今年の上半期が過ぎました。
6月中は、ほぼ岩手県に滞在しておりました。
今年の東北地方は梅雨入りが遅く、若干の雨天中止もありましたが、順調に作業を進める事ができました。
助かりです。

かなり厄介な作業もありました。
崖っぷちの傾いた枯れ松。
崖下には立派なお寺の本堂。
周囲は墓地。
全て人力作業、クレーン等は一切使えません。


無事に完了しました。

関係者の皆様のおかげです。
大変お世話になりました。
またいつでもお声かけください。
また皆さんに会える日を楽しみにしております。

さて、トップの写真は5月中旬の作業時のものです。
この時期、大径木を伐採する事は滅多にありません。

急遽、四国方面からクスノキ大径材の注文が入ったので伐採してほしい、との依頼を頂きました。

地元、さいたま市内での作業。
ドラッグストア店舗建屋と隣地の倉庫建屋との間、狭小スペースにそびえる大楠。

店舗の真上まで大きな枝が広がっています。
住宅街という事もあり、お客さんの出入りも頻繁です。
色々と神経を使います。

まずは全ての枝を伐採、丸坊主に。

根元はなるべく下まで掘り下げて伐採します。

無事に伐採完了、
全長10m、重量12t。
大型車に積み込まれ、お客様の元へ嫁ぎます。

一体、どんな製品に生まれ変わるのでしょう。
クスノキですので彫刻欄間だと思われますが、完成品を見てみたいなぁ…

達者でなぁぁ……(-_☆)