9月12日(金)
その日の仕事終了後、
急遽、大阪に行く事に。
その目的は、
「岸和田だんじり祭」
以前から、一度は見物に行きたいと切望していましたが、なかなか実現には至りませんでした。
「今年も日程的に無理だなぁ…」
そう思い込んでいました。
お祭り当日の2日前、
大阪、だんじり製作、
“板谷工務店“
棟梁の板谷さんに電話。
「今年も行けません(泣)」
そう言いながらも、詳しく日程を聞いてみると、
9月13日(土)~14(日)
ここでの開催だと判明。
「あれ?13日から?
…それなら行けるなぁ!」
なんだか、日程を間違えて把握していて、ダメだと思い込んでいたのです。
そんなこんなで急遽、大阪は岸和田の、だんじり祭見物に行く事に。
「朝4時前までに到着してください!遅刻厳禁ですよ!」
そう言われ、
「わ、わかりました…。
……ちょっと早すぎやしませんかい…」
そう思いましたが、
『棟梁の御意のままに…』
2人の若衆と4時到着を目指し、運転&睡眠を交代しながら大阪に向かったのです。
……………
出発して7時間、さほど眠れずでしたが、無事に4時前に到着。
板谷さんのお出迎えを受け、事務所で軽く一服。
「ほな、行きましょか~」
「あ…、ハ、ハイ…。
…もう行くんですかい!?」
そう思いつつも、
『棟梁の御意のままに…』
車で少し走ると岸和田市内に入りました。
土曜日の早朝です。
辺りはまだ真っ暗だというのに、ガンガン車が行き交い、大勢の歩行者が往来しています。
お祭りの為に開放されたであろう広大な駐車場には、既に沢山の車がビッシリと並んでいました。
車を降りた大勢の人々は、同一方向に向かって、意気揚々と歩いていきます。
小さな子供から杖をついた老人、車イスの人、赤ちゃんを抱いた若い夫婦もいました。
住宅街を抜けますが、灯りの点いていない家などありません。
世の中の人々、ほとんどが深く眠っている時間帯。
この街だけは、完全に目覚めています。
初めて目の当たりにする、異様なまでの光景でした。
「これから何か凄い事が起こる…」
どんなに鈍感な人間でも、それを感じとれる様な雰囲気に包まれていました。
各町会のだんじりが出発する直線地点に到着。
見物客の皆さん、このメインストリートを目指して歩いていた訳です。
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朝っぱらからワイワイ、ガヤガヤ。
皆さんこの日を待ちわびていたのでしょう。
なんだかソワソワ、猛る気持ちを抑えられない、
そんな感じがこちらにも伝わってきました。
大北町の路地裏、だんじり格納庫前。
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この町会のだんじりが、最初の直線コースに出たと同時、一斉にお祭りがスタートします。
…………………
朝5時過ぎ、大勢の人々に引っ張られ、ゆっくり時間をかけて、
ドデカイだんじりが路地裏から出てきました。
テンテケ、テンテケ。
スローテンポの囃子のリズム。
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我々一行は直線コース手前に待機。
大北町のだんじり、ちょうど目の前を通り過ぎた辺りで、ゆっくりと一時停止。
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………………。
と、思いきや!!
「グゥゥワァーーーッ!!!
ドドドドドドドドーッ!!」
人々の歓声なのか雷鳴なのか爆発音なのか、
何なのか!?
物凄い轟音と共に、急発進で左折して直線に出た、
あっという間に見えなくなった!?
あれよあれよと思いきや!!
右から左へ、次から次へ、
超高速で後続のだんじりがーっ!!
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↓
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w(゜o゜)w
w(゜o゜)w
w(゜o゜)w
地鳴りの様な歓声と怒号!
急激なハイテンポに展開する囃子!!
ドンドンと腹の底に響く太鼓!
カンカンと耳を突ん裂く鉦!
グルグルと脳内を徘徊する笛!
最高級の総ケヤキで製作された芸術品の数々、
5tに近い重量のある地車の滑走。
各町会、気合いの入った数百人の曳き手、
大屋根の上で軽やかに舞い踊る大工方。
………!!!!!!!!!!!!!!!
もう大興奮!!
気が付けば、
「スゲーッ!スッゲーッ!!
ヤバーッ!ヤッバーイッ!」
ただただ、大声で連呼していました!
板谷棟梁に、
「うるさいわ~(笑)」
言われてしまいました(汗)
ボケた訳ではありませんが、大阪の人にツッコまれると、ちょっとウレシくなります(笑)
いやいや、ホントにスゴかったです。
心の底からシビれました。(鳥肌)
「朝早く来い」そう言われた意味がわかりました。
初日の早朝「曳き出し」と云われる場面、だんじり祭の中の、数ある醍醐味の一つだそうです。
板谷棟梁のご友人の方々と合流、しばらくお祭り見物。
みんなで、ちょっと遅めの朝ごはんを食べました。
「見てもらいたい物があるので、行きましょう!」
『棟梁の御意のままに…』
お祭り真っ最中ですが、岸和田の町を後にして、和泉市の市辺町に向かいました。
…………………
市辺町のだんじり格納庫に到着。
町会の皆さんが扉を開けると、そこには…!!
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和泉市府中地区 市辺町
平成25年8月25日 新調入魂
板谷工務店製作
市辺町地車
芸術的作品です。
製作関係者の皆さんも集結してくれました。
板谷工務店棟梁
板谷 始さん
木下彫刻工芸
木下 健司さん
仁科旗金具製作所
仁科 雅晴さん
このだんじり、関東産の樹齢約500年、一本のケヤキ原木から作られました。
全体のフォルム、細部の装飾、走破性のバランス、全てにおいて、こだわり抜かれた一品です。
大屋根の破風、葺地部分の柾目の美しさ。
真っ直ぐに伸びた、目立ちも色も良い、極上の大径ケヤキでしか取れない木目です。
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虹梁はもちろん、垂木の細部にまで施された彫物。
腰回りには、歴史絵巻を題材にした彫刻の数々。
細かく目の詰まった、極上のケヤキでしか作れません。
重厚で渋い作りの木工品を華やかに引き立たせる、全て手作りのかざり金具。
全体的仕上がりのバランスは、正確な図面など無く、全て棟梁の勘とセンスによるものだそうです。
名工である職人の皆さん達との出会い、
その芸術的作品とも出会えて光栄、この上ありませんでした。
このだんじりに誇りを持ち、宝物として大切に扱う市辺町会の皆さん、魂の込もった大変貴重な逸品を拝見させて頂き、この御縁に心より感謝申し上げますm(__)m
しばら~く、このだんじりの周りを囲み、皆さんと歓談。
いつまでも拝見していたいところでしたが、そろそろ昼食に。
和歌山県のお寿司屋さんに移動。
こちらも板谷棟梁のご友人、
文久年間創業、老舗海産商5代目の鮨店、
「すし藤左ヱ門」
海の幸を知り尽くした、目利きのプロが厳選した魚介を、ベテランの職人が握る店。
板前さんお任せで出てくる全てが超絶品の美味しさ、新鮮なネタと職人の技を堪能しました。
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満腹です。
板谷さんの事務所に戻り、少し仮眠をとりまして、みんなで銭湯でひとっ風呂、
夜は堺市へ。
「堺ふとん太鼓祭り」
ふとん太鼓と呼ばれる大きな太鼓台を、大勢の若者が担ぎ上げ、町中を練り歩くお祭りです。
東湊ふとん太鼓
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製作は板谷工務店
素晴らしい芸術作品です。
だんじりとは趣の異なる、派手な装飾と色使い。
材料は主にケヤキですが、柱部分等には黒檀が使われています。
2tを超える重量の太鼓台が、上下に激しく揺さぶられながら、大きな掛け声と共に練り歩きます。
担ぎ手は大変です(汗)
でも皆さん、とても楽しそう!
宮入する前の、通行許可状受渡しの儀式。
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ふとん太鼓祭りの醍醐味の一つです。
ハイライトの宮入には、物凄い人だかりで近づけません。
遠くから拝見しました。
…………………
22時過ぎ、お祭り見物終了。
過密スケジュールをこなし、気がつけばクタクタでした(疲)
しかし満喫しました(喜)
みんなで軽く一杯お酒を呑みまして、23時に就寝、
翌朝は7時起床。
地元埼玉での予定があり、すぐに出発です。
板谷さんも見送りに来てくださり、感謝とお別れの挨拶(涙)
楽しすぎて大満足!
超濃厚、あっという間の大阪滞在でした。
板谷棟梁、大阪の皆さん、本当にありがとうございました。
また必ずや、お伺いさせて頂きます。
熊倉林業スタッフ一同、
心より感謝申し上げます。
m(__)m